2025年9月21日(日)、法政大学市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区)において、外来生物法施行20年「
水辺の外来生物対策20年 その成果と課題」を開催しました(法政大学藤田研究室、
ノーバスネット共催。
経団連自然保護基金の助成による)。

当日は午前中に2題の基調講演が、午後には10の講演が行われました。基調講演では環境省外来生物対策室の中島治美さんに「世界の外来生物対策と外来生物法20年」というタイトルで、また、国立環境研究所の五箇公一さんに「『ここまで来た』か『まだまだ』か?日本の外来生物対策」というタイトルでご講演いただき、外来生物法全体の20年と現状についてお話しいただきました。

午後はテーマを内水面(湖沼河川)における外来生物防除に限定しました。まず、近畿大学名誉教授の細谷和海さんに「水辺の生きもの保全活動と外来生物対策の20年を振り返る」と題し、水の中という特殊な環境における外来生物防除についてのこれまでと現在の課題について概観していただきました。続いて、大きな成果を挙げてきた市民団体による外来生物防除活動について、3名の演者によりご紹介いただきました((公財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の藤本泰文さん、NPO法人シナイモツゴ郷の会の高橋清孝さん、和亀保護の会の西堀智子さん)。

次に、近年水辺の生きもの保全活動は企業による環境保全活動としても注目されていますが、その事例を2名の演者にご紹介いただきました(日本電気(株)の稲垣孝一さん、三井住友海上火災保険(株)の深川徹さん)。そして、「水辺の外来生物対策 今後の課題と対策」というテーマで4名の演者にそれぞれの現場から報告をいただきました(全国内水面漁業協同組合連合会の師田彰子さん、美しい手賀沼を愛する市民の連合会の竹内順子さん、法政大学藤田研究会の滝川心陽さん、佐藤優さん、西村郁哉さん、(公財)ルイ・パストゥール医学研究センターの中井克樹さん)。

最後に細谷和海さんのコーディネートによるディスカッションを行いました。この20年で外来生物防除に対する一般の認識が高まり、防除が一定の効果を上げている一方、今なお新たな外来生物問題が起き続けていること、「利用」が制限されないために違法放流が止まらないブラックバス問題など、今後も続けて取り組むべき課題があることを確認し、閉会となりました。

●当日のディスカッションの内容については
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●要旨集については
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●講演動画については
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