分布拡大の理由
日本でこんなにブルーギルが拡がったのには、おもに二つの理由があります。一つ目の理由はブラックバスの場合と同じですが、人によって各地の水域へと放たれたためです。二つ目の理由はブルーギル自体がもっている生物学的特性です。ブルーギルは湖沼やため池、河川などの多様な環境に適応して生息できますし、北アメリカ原産なので冬の低水温に耐性があります。また、成魚は魚類や甲殻類、昆虫類、貝類、動物プランクトン、水草などを食べる雑食性で,生息環境に応じて柔軟に食性を変化させます。さらに、産卵数が比較的多く、かつ,雄親が卵・仔魚を保護する習性があるので,少数個体の放流で定着・増殖できます。このような侵略的な生物学的特性は、ブルーギルが各地の水域に定着するうえで役立ったものと考えられています。もちろん、これらの二つの理由のうち、どちらか一方でも欠ければ,これほどのブルーギルの分布拡大は起こらなかったものと推測されます。 |